ここでは、広島の主なお好み焼き店でのお好み焼き「そば肉玉(そば・肉・玉子入りの呼称)」が、どのように焼かれているのかを、イラスト付きでご紹介します。
※ ご家庭でお好み焼きを焼く方法ではありません。予めご了承下さい。
1.鉄板に生地を敷きます
お店によって、生地の大きさ、使用量が違います。最近多いのは、焼きあがった時に生地の存在感がない焼き方が好まれている傾向があります。なので、この後で上に乗る野菜の量に対して小さ目の生地で焼かれることが多いです。また、店によっては野菜の量よりも大きいしっかりとした生地が作られる場合もあります。
2.生地に材料を乗せます

キャベツ、もやし、肉の順に積まれます。生地の上や野菜の上などに天かす、魚粉、昆布粉、とろろ昆布、鰹節、調味料、ねぎなどが入る場合もあります。※三八方式のお店では生地の上に、まずあらかじめ焼かれたそばが置かれ、その上に野菜が乗ります。
このまましばらく焼かれます。
3.上下をひっくり返して蒸し焼きにします。その横でそばを焼きます。

生地が一番上になり、その下に野菜、肉は鉄板と接する面になります。野菜の水分が鉄板に落ちて蒸発し、全体が蒸し焼きとなります。野菜は焼けていない、ばらばらの状態なので、ひっくり返す時に散らばりますが、それは、うまくヘラでまとめられます。お店によっては、ドーム状のふたをかぶせて蒸し焼きにしたり、金属の重しを載せて焼きます。
その横でそばを焼きます。(三八方式では、そばは最初にお好み焼きの中に入っているので、ここでは焼きません) お店でゆでた生麺や、蒸し麺を鉄板に広げてしばらく焼きます。麺をパリパリにする店では、ここで、麺にラードを混ぜて片面もしくはひっくり返して両面をパリパリ状態になるまで焼きます。鳥の巣状に立体的に焼く店もあります。
4.お好み焼きをそばの上に乗せ、更に玉子に乗せます。最後にソースを塗ります。

上から、ソース、青海苔、葱などがかけられて完成です。
□ 少し解説
イラストの3でひっくり返した時に、薄く丸い生地が一番上になり、その下に野菜、鉄板に接する面に肉という状態になります。この状態で暫くそのまま放置して焼きます。そのときに一番上になる「生地」。これは「フタ」の役割となっています。鉄板の上で野菜や肉を長く放置して焼いても焦げ付かないのは、野菜から熱によって出てくる水分が水蒸気となり、生地のフタが水分に戻して鉄板に落とし蒸し焼き状態になっているからです。このようにして徐々に水分が蒸発ながら、山積みされた野菜が、だんだんと平らに近くなっていくのです。
このあと再度ひっくり返されます。出来上がったお好み焼きの一番上は卵焼きになっていて、その上からのソースが塗られます。たまごのすぐ下が、そば。このそばは、パリパリに焼かれていたり卵を半熟や生焼けでひっくり返して染み込ませたりする焼き方もあります。その下に野菜が重なっています。